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塩野屋の想い

国内養蚕の目指す道

日本の食糧自給率、独自のカロリーベースという計算ですが、39%と言うのは有名な話。
ちなみに、品目別で見ると、米は100%ですが、うどん62%、蕎麦21%、砂糖35%、牛肉10%、豚肉5%となっています。
そして、材木は30%を自給。

では、絹自給率はいくらかと言いますと、なんと0.5%という訳で、1%にも満たないという状況です。

昭和35年までは絹に関する輸入は一切無く、自給率100%であったのですが、外圧で中国からの輸入を認めたところ、事態は変わり始めます。
当時は品質も悪く中国製の生糸を業者が買い付けるとは考えがたく、許可をしても問題は無いとの判断でしたが、大手の製糸業や蚕糸関係者の中から日本の技術を中国に教える企業や人たちが現れて、数年後には日本国産に匹敵する品質を獲得して、安い生糸原料が大量に国内に流れ込む状況が起こってしまいました。

そこで、国は慌てて一元化輸入に切り替えます。
これは、国内の生糸が足らない状態の時に国が一つの窓口から緊急輸入をして、業界に日本の生糸価格で放出するというものでありました。

その結果、輸入を低下価格ですることにより国が利益を得られて、その利益・資金をプールすることで、国産の蚕糸に補助事業を展開することになったのです。

これが大規模養蚕や先導的養蚕農家の拡大と言う方向に向かい、農協との連携で国内養蚕の繭の価格と品質の均一化を果たす原動力になりました。
自動製糸に掛けやすい工業的な繭の指導に始まり、稚蚕飼育方法も、人工飼料の活用も、乾繭方法も煮繭方法も、撚糸・精練方法に至るまで、工業化を前提とした方法に変わり、効率を最優先するようになったという訳です。

しかし、長年続いた補助金制度も、現在は無くす方向に向かっています。

今までの補助金は世界の絹の価値価格競争からはみ出た国内供給源のための存続のひとつの手段でしたが、これからは、補助金なしで世界の絹事情の中で生きて行くことを求められています。

今後は世界の絹の価値観の中で生きて行く純国産の存在意義や理由や使命を見据えた上での純国産の養蚕に出口を見つけるしか、方法はありません。日本のオリジナルの養蚕と商品開発を果たすこと以外に生き残る道や使命は見いだせないと塩野屋は考えています。

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