風羽は一応は、女性向けとしての製品で作られておりましたが、
その軽さを好んでくださる方は女性だけではありませんでした。
人気男性誌・サライにご紹介いただいてから、
男性の方からも少し大きめサイズでのご注文をいただくことが増えました。
下記は、昨年秋に京都へ取材旅行にこられた際に、
気に入られ、風羽をお求め下さった吉澤様からのお便りです。
とても着心地良さそうにお召しくださっているのが
よく伝わってきて嬉しかったので、
思わず皆様へもご紹介させいていただきました。
読んだら思わず、風羽を着て出かけたくなってしまうかも・・・。
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風羽を羽織って旅に出よう。
私は書くことを仕事にしている。
原稿料は安い。思いきって買ったみた。
一着だけでもいい、
絹と言う物を羽織りたかったからだ。
"純国産”という響きも気に入った。
コロコロ付の小さなスーツケースに
三島由紀夫の短編集、そして風羽を
しのばせて、下田に行ってみた。
大きな車窓から見る東海岸の海は見事だ。
私は我慢できなくなり、今井浜海岸駅で降りた。
河津桜の花びら舞う今井浜海岸は春の日射しを
浴びて爽快そのものだ。私はデザートブーツに
コットンパンツ、ウールのカットソーといういでたちで
今井浜海岸から下田へ歩いた。さすがに涼しいから
ここで初めて風羽を取り出し羽織ってみた。
気持ちいい。ほんとうに気持ちいい。
宣伝通り、本当に気持ちいい。
さすがは我が日本の歴史と伝統が育んだ
西陣織のメーカーが作っただけのことはある。
30分も歩けば汗が出る。
でもこの風羽、サラサラとして気持ちいい。
これは旅行に合う。軽いし、
折り畳んでも、しわにならない。
何日も羽織ったら手洗いもできる。
ハンガーにかければ翌日には乾く。
疲れたから、浜辺で三島由紀夫の短編集を取り出した。
今井浜海岸での出来事を小説にした“真夏の死”。
その中に入っている“翼”を改めて読んだ。
“街中で偶然再会した二人は、
映画でも行こうかと思うのだが、
ひとときの出会いを神聖な想いでにしたいが為に
その日は改札で慌ただしい握手をして別れた…”
くぅ~、さすがは三島由紀夫様…、ほろりと来た。
旅は三日間だけ。それでも楽しい。
読書だけでは物足りないから、出会いを求めた。
私は書くことを仕事にしている。
原稿料は安い。たくさん書いて風羽を買った。
旅行に行った。行ってよかった。その後、出会いがあったから。
旅行に行くには少しは道具にこだわりたい。
靴にこだわりたい。衣類にもこだわりたい。
上質なおしゃれは必至だと思う。
いいものを羽織っていれば、ふいの出会いにも
ふれあえるからね。
吉澤 浩史
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お便り&お写真、本当にありがとうございました。
その後も鳥取砂丘、石見銀山、などなど
あちらこちらへと旅が続いているようで、
画像は、鳥取の時のものだそうです。
みなさまもこんな風に、ご自分流の絹の楽しみを、
教えてください。
お便りお待ちしております。