塩野屋のテーマのひとつ、「一物全体」。
素材を丸ごと使い切る仕組みをつくりたいと、
桑~蚕、糞、~繭~糸、布、真綿、毛羽などなど
絹にまつわるエコロジーを考えています。
ということで・・・
いろいろ実験中~!今回は蚕編をご紹介。
其の一、蚕蛹料理まずは、こちらをご覧ください・・・。
そう、お蚕さんの蛹!サ・ナ・ギですよ!!
まずは、さっと茹でてグリーンナッツオイル+塩+メティ(ハーブ)の姿煮?
それから、ファラフェル(ひよこ豆のコロッケ。元は中近東料理。ベジタリアン料理として人気(笑)」、
こちらもお姿そのまま入っていらっしゃいました。
あとは、サラダと和えたり~・・・。なんかかわいい?美味しそうじゃない?
ちょうど展示会中、ご来場のお客様の反応は~・・・
あれ、なかなか好評?長野ご出身の方には、大好評(笑)!
そして、こちらはナント、粕汁仕立のスープ!ですよ!!
野菜たっぷりベジ版粕汁+蚕蛹。(蚕はいったら、やはしベジじゃあない!?)
「いやー、一度一線超えたら怖いもんはありません。
蛹、ブレンダー(ミキサー)かけちゃいましたよ。」だそうです。
食べた感想は、「まったく蛹感(?)無し。おいしいです~。滋養強壮な感じ(笑)」。
以上二点、桑編でフレッシュジュースをつくってくださった乾物カフェの
按田さんと、有馬さんです~~~!
過日の催事でお世話になったときに、初めてお話したときは
「え゛~っ!お蚕さん、食べるのですか?」「虫ですよね?」的な
至極当然の反応をされていましたが、その後数ヶ月・・・・。スバラシイ!
その間の気持ちの葛藤(?笑)に関しては下記ブログで書かれていますので、
是非、お読みになってください。
⇒ blog KanbutsuCafe かわら版より「やるときゃやるんだ!」 (10月19日付)
本当に、ありがとうございました。ご馳走様でした!
*今後も協力体制をとって、来春のフレッシュ春蚕にて”Silk Cafe”をやってみようと企画中~!?
お楽しみに!
もちろん、虫を食べる文化はたくさんあります。お蚕さんも。
日本で有名なのは、養蚕・製糸が盛んだった長野県。
現在も蛹の佃煮は長野県内スーパーで売られています。
群馬では、蛹を粉末にして、七味に入れていたという話も聞きました。
韓国ではメージャーなポンテギ。気軽な屋台スナックとして若者もおやつに食べます。
東南アジアや、アフリカなど幼虫のまま食べるところもあります。
幼虫を凍結乾燥。粉末にして美容パックにするのは、韓国。
ちなみに、蛹の漢方としての効能は、喘息や糖尿などだとか。
ほか、蛹3個で卵1個分の栄養といわれるほどだそうです。おそるべし。
危ないお肉を食べるより、蚕を食べた方が良質のタンパク質をとれそうです。
そうなると、やはり全齢桑育の安心安全な蚕さんでないとね!
ちなみに、韓国などでは、養蚕をしても糸・布にはせず、ほとんど
美容、薬(冬虫夏草など)、食用に利用しているそう。
其のニ、蚕の糞。
蚕の糞は、食べた桑葉の取り込まれなかったよう分がそのまま外に出されたもの。
桑葉の成分たっっぷりの、サラサラコロコロ、きれいなモンです(笑)。
大きさがわかりやすい様に、ボールペンを一緒に撮ってみました。
幼虫が大きくなるにつれ、糞も大きくなります。
表面に不思議な凹凸があるのは、お尻の形のせい?(笑)
その糞は「蚕砂(さんしゃ)」と呼ばれ、
頭痛、関節の痛み、糖尿病、高血圧などに有効だとか。
お茶としても、飲まれている(飲まれていた?)そうです。
そのほか、枕の中素材として良いと聞いたこともあります。
塩野屋でとりあえず試してみたのは、染料。
マフラーを染めたものが、下記3点。媒染による違いです。
その糞染めレポート詳細は、下記ブログにてご覧ください~。
ブログ ⇒ 蚕の糞染
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もちろん、このほかにも蚕の利用方法はまだまだあります。
・糸をとった後の蛹は、鯉などの餌に。
・もちろん釣用の餌としても、よいそうです。
ちなみに、昔、化繊がなかった時代は、テグス(天蚕糸と書いたそう)なども蚕から作られていました。
蚕のお腹野中の糸になる前の成分がつまった絹糸腺(けんしせん)をひっぱり、加工します(!)。
釣り糸、網、テニスのガットなど。
釣り糸が魚や鳥、海、川に与える影響を考えると本来の天然テグスがよいのでしょうね。
蚕レシピ、ご存知の方は教えてください~。