会場は全ての作品が、純国産繭から国内の職人によってつくられた塩野屋の織物を使用。
一枚一枚に、どのような糸を使ったかが紹介されていました。
たとえば・・・
No.5 羽織「水模様」 森康次
経糸/碓氷製糸にて自動製糸、21中3本合わせ、駒撚り
緯糸/碓氷製糸にて自動製糸、21中5本合わせ、御召ヌキ(=強撚)
(経糸=縦糸、緯糸=横糸)
刺繍のアップ↓
No.32 訪問着「松皮菱横段」寺田豊
経糸/碓氷製糸にて自動製糸、21中3本合わせ、駒撚り
緯糸/碓氷製糸にて自動製糸、26中5本合わせ、御召ヌキ(=強撚)
絞りのアップ↓
No.70 帯「カツオボカシ7/3」服部芳和
経糸/碓氷製糸にて自動製糸、21中3本合わせ、諸撚り
緯糸/碓氷製糸にて自動製糸、21中8本合わせ、御召ヌキ(=強撚)
シボのアップ↓
また、モノ創りの現場を感じていただけるよう、素材や道具を展示。
森氏の刺繍糸。手前が日ごろ使っている糸。
奥の淡い色目のものが、今回塩野屋でつくった純国産刺繍糸を森氏が草木染したもの。
昔の刺繍糸のように、染色性・発色性もよく、ふんわりやさしいと。
(この糸の製作過程については、森氏のブログ9/10~を是非ご覧下さい!)
桶絞りの道具、絞った見本きれなど。
その密な細かさにびっくり…機械?いや機械では無理、ひたすら手作業です、だそう。
会場ではご来場の方々と作者とのお話も絶えませんでした。
その都度、糸を割って撚りをかけて作品に合う糸を作るんですよと、実演の森氏。
これは、花びらが散っているのでなく、吹き上がっているところをイメージしたもの、
自然と舞い落ちるのと吹き上がるのの構図の違いが出てくる、と寺田氏。
日本の繭の自給率は1%も無いんですよ・・・と、純国産絹の現状を伝える服部。
最後に・・・
会場でブログ用にと毎日マメに写真を取られる森氏。
おつかれさまでした!