織の道を楽しもう
2009年01月22日

実験! 「御召って水に濡れると縮むんですか?」 2

さらに、実験です!

其の二.御召着物がどっぷり水に濡れたらどうなる?

袖一枚に、霧吹きでしゃあしゃあと水を吹き付けました。かなりの勢いで。
そして、ご覧の通り・・・
CIMG6905_400.jpg
上方に、大きな丸模様ガふたつ、下方はギュッと縮みました~。おみごと!
上側の一枚が特に縮んで、下の一枚との差が1cm以上でしょうか。
CIMG6909_400.jpg

でこんな風に部屋干ししてみました。
CIMG6906_400.jpg
そして、放置すること一晩


翌日見てみると・・・
CIMG6945_450.jpg
あ、ら・・・結構戻っています。何もしていないのに!?
1cm以上縮んだ差は、ほんの2~3mm程度に。
これも、当て布をしてアイロンをかける(縦方向にかけます!)と、ほぼ元通り!?


実は、この実験をする前にこんな二つの実体験を聞いていました。

ひとつは塩野屋スタッフの数年前の話、
「台風にあいました!」

着物を着て出かけた後、どうしてもの打ち合わせがありましたが、
そんなときに限って台風=大雨に遭遇!
駅からの道を歩くうちに、御召着物(袷仕立)の裾が、ぎゅーっと縮まってしまったそうです。
あー、これはもう、仕立て直さなければいけない~~~!
と、ショックを受けていたものの、家に帰ってタオルで水分をふき取り、
着物ハンガーへかけて寝ました。翌朝・・・
・・・?と、ほとんど元に戻っていたそうです。アイロンもなしできられる程度だったそう。
厳密には数ミリなりの変化が無かったわけではないかもしれませんが、
着て出かけるのに不都合無し。
そのままずっと着続けているそうです。


ふたつめは、お客さまからのお話、
「出かける直前に御召が縮んじゃいました!」

昨年末、御召を着て忘年会を!ということで、お客様3名様とお食事に。
そのうちのお一人、N様は仕立てあがったばかりのおNEWの絣御召姿。
「今日出かける前に、しつけを取って、ハンガーにかけておいたら、
 窓が結露していたらしく、裾の端が縮んじゃってて帯状に跡が!
 あれー!と思ったけど、下前で見えないからいいや!とそのまま着て着ちゃったんだけど・・・
 ほら!ここ~!」
と、裾をめくって見せてくださったのですが・・・
「え?どこ?」 
「あれ?元に戻ってる!???」
ご本人もみんなも、びっくり!
特に何もしなかったそうですが、見た目には全くわからないほどに元通り。
「塩野屋さんの御召、すごいね~。これからは恐がらずに、もっとどんどん着てみます!」とのこと。

両方とも写真が無いので、残念(笑)、ですが、両方とも実体験からのお話。

どんな御召も、大丈夫、というわけではございませんが、
少なくとも塩野屋の御召、多少縮むくらい、大丈夫!大丈夫!(笑)
食べ物など色やヨゴレの場合は、また話は別ですが、
とにかく縮むことを恐れるより、着心地のよさをどんどん味わってくださいね。

もちろん、シミやどうしてももどらない縮みなどは、
塩野屋でご相談お受けいたしますので、お気軽にご連絡下さい!


ちなみに、パール○○○加工などは、生地を固めてしまい、逆にスリップしたり、
風合いが育つのを妨げるので、塩野屋ではオススメしていません。
コート類や、帯ほか、どうしてもの場合は、御召に合う撥水加工のみをさせていただきます。
こちらも、ご相談ください。

絹は生きものです。
特に、丈夫な御召は着る毎に風合いが育ちます。
大切なお蚕さんの命が、箪笥の肥やしにならない様、
たくさん着てあげてくださいね。

投稿者 orihanzo : 10:58

 
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